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日録2009年11月 


17 november 2009(火) ※整形最中の高崎駅前で浦島太郎

◆午前5時起床.曇りのち雨が降り出す.気温は低い.こんな天気に遠出をするのは気が引けるのだが所用なのでしかたがない.

◆上州への日帰り無宿旅 —— 8:26発のTX快速に乗る.南流山で武蔵野線に乗り換え,南浦和でさらに京浜東北線,そして大宮で半時間ほど待たされた後に上越新幹線に乗り継いでJR高崎駅に降り立ったのは午前11時前だった.冷たい雨が降り続いていた.

◆高崎駅前今昔 —— この三年間(もっとか?),JR高崎駅をまったく使わなかったのだが,しばらく見ないうちに駅前が再開発でこんなに変貌していたとはぜんぜん知らなかった.西口にはアパホテルの高層ビルがどかんと建っていたし,東口駅前はいまも工事中でロータリーが大きく変わるらしい.新幹線ホームから降りて駅コンコースにたたずみ,しばしぼうぜんと「浦島太郎」になってしまった.

四半世紀前,実に5年間もこの町に住んでいたというのに,こんなに短期間で町の顔である駅周辺の表情ががらりと変わるとは予想していなかった. 南大類町での所用は昼前に終わったので,再び駅に戻り,西口の鶴見町に古くからある喫茶店〈芭蕉〉に立ち寄る.二十五年前に高崎に住んでいた頃から通い詰めた喫茶店だ.駅前こそ整形手術されたように変貌しているが,少し町中に入ればたたずまいはぜんぜん変わっていない.ここ鶴見町の界隈も基本線は以前のままだった.

〈芭蕉〉の定番メニューは「カレーパン」.といっても,よくある揚げたカレーパンではない.学校給食用の食パンを厚さ10センチほどの極厚に切って,中をきれいにくりぬき,くりぬいたあとの「耳」を「皿」代わりにしてチキンカレーソースを入れ,くりぬかれた白いパン本体をトーストしてカレーソースに浸すというスタイルの一品だ.久しぶりに注文したが昔と変わらない辛さと味わいだった.このカレーパンには「クールコーヒー」という水出しのアイスコーヒーを合わせるのがぼくのスタイルだ.

高崎市内の喫茶店や飲み屋も栄枯盛衰があり,昔からの店のいくつかはもうとっくになくなっている.マスターには「ずいぶんご無沙汰ですねぇ.ゆっくりしていってください」とあいさつされてしまった.長年にわたって奥さんとふたりでずっと切り盛りされている喫茶店だが,マスターもだいぶ年取りましたねぇ.〈芭蕉〉の近くには,カツ丼の老舗〈栄寿亭〉や超弩級焼きそばで有名な〈もりや食堂〉など昔からある食べ物屋がまだ営業を続けている.最近は高崎に来る機会がほとんどなくなってしまったが,食べ物につられてまた来たくなってしまうのだが…….

◆店を出て雨の中を駅に向かう.14:17高崎発の湘南新宿ライン特快に乗り東京へ.そしてつくばへと一直線.午後6時前につくばセンター広場の雨の中を歩いていた.

—— 今日はしんしんと冷える冷たく寒い一日だった.夜になっても雨はなお降り続いた.

◆車中読書 —— ジャケ買いならぬタイトル買い:小川糸『ファミリーツリー』(2009年11月5日刊行,ポプラ社,東京,ISBN:978-4-591-11249-6 → 版元ページ著者ブログを読了.前世紀末に『生物系統学』を書いたとき,テーマ音楽としては武満徹の作品〈系図(ファミリーツリー)〉(1992)を指定した.この本のプロローグエピローグでそれぞれこの曲からの引用をしてあるのは単なる飾りではない.「ファミリーツリー」はそれぞれが過去から現在そして未来につながるひとつの物語を展開する.その「語り」は武満徹のように音楽のかたちをとったり,あるいは小川糸のように文学のかたちをとったりするわけだ.

◆本日の総歩数=11781歩[うち「しっかり歩数」4256歩/44分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=85.7kg(−0.1kg)/27.1%(+0.1%).


16 november 2009(月) ※晩秋の曇天に火山弾が次々着弾

◆午前4時半起床.曇り.気温8.2度.肌寒い.昨日とは一転して今日は気温の低い一日になるとの予報.

◆朝イチのお仕事は電話会議 —— 計量生物学会の企画幹事電話会議.午前8時半にインターネット電話経由で一時間あまり話し合う.来年度の年会での企画のことが中心.特別セッションはここ数年は医学統計学テーマがほとんどだったが,来年はぼくがオーガナイザーで進化学・生態学・農学におけるベイズ統計学の応用というセッションを立てることになった.その趣旨とか想定される講演者(白羽の矢は用意済み)について今月末の対面理事会までに用意することに.もうひとつは同じ年会でのチュートリアルについて,こちらは〈分類思考の世界〉について話してほしいとの依頼があったのでそのままお引き受け.

—— ということで,来年の計量生物学会年次大会(2010年5月13日(木)〜15日(土),統計数理研究所,立川)は例年になく多忙になります.次回の企画幹事会議は,11月27日(金)15:00から〈キャンパスプラザ京都〉4Fにて.

◆数理統計研修(応用編)の高座もあり —— 電話会議が終わってからばたばたと筑波事務所に駆けつける.10:45〜12:15は「多変量解析概論」.先週の「基礎編」と比べると「応用編」の受講生はおよそ半分なので顔がよく見える.いつものようにデータの可視化を中心に,多変量解析のスピリットについて話をする.Rコマンダーでの実演も少しあり.

◆昼休み.曇り.気温は14.1度.ほどよい気候.農環研に戻る.

◆午後のトド撃ち三昧 —— 明日17日(火)の年休届を提出する.急な所用./来月のRP検討会の日程調整.もうそういう季節になってきたか.系統学的多様性の結果をそろそろまとめないといけないな./日経サイエンス編集部から書評原稿のゲラが届く.2行プラスして返信完了.書評タイトルは:「人間社会と文明が生物多様性に与えた甚大な影響をレポート」で決定./東大の専攻研究室ガイダンスは11月24日(火)16:20〜17:20.いつもの教室で.参加予定.

◆ダーウィン関連新刊 —— Gillian Beer『Darwin's Plots: Evolutionary Narrative in Darwin, George Eliot and Nineteenth-Century Fiction, Third Edition』(2009年5月刊行,Cambridge University Press, Cambridge, xxiv+294 pp., ISBN:9780521767699 [hbk] / ISBN:9780521743617 [pbk]).ダーウィン進化論の文学への影響を論じたこの本が第三版まで改訂されているとは知らなかった.初版の翻訳は工作舎からかなり前に出版されている:ジリアン・ビア[渡部ちあき・松井 優子・富山太佳夫訳]『ダーウィンの衝撃:文学における進化論』(1998年刊行,工作舎,東京,ISBN:4875022964 → 版元ページ

◆備忘メモ —— 11月21日(土)〜23日(月)は第60回〈駒場祭〉だが,同じ日程で科博分館(百人町)での国際シンポジウム〈生物の相互作用が創る多様性〉が開催される.ん? 某分子系統ワークショップを受講された面々も講演者ですかっ./[訃報]植物体系学者 Armen Takhtajan (1910-2009) .まだ存命だったのかという驚きが80%.昨日,アマゾンでたまたま彼の著書『Flowering Plants』がリプリントされているのを見たなあという偶然の感慨が20%.99歳かあ.たいへんお疲れさまでした.

◆研究交流課から先日の分子系統ワークショップのアンケート集計が届いていた.来年もまたきっと開催されるだろうから,改善点は要チェック.

◆午後7時,たまっていた日録をようやくすべて書き終えてから撤収.寒いなぁ.明日は全日年休を取って高崎に行ってきます.

◆本日の総歩数=7054歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=85.8kg(+0.3kg)/27.0%(+1.6%).


15 november 2009(日) ※穏やかな秋晴れでやっと一段落

◆午前5時に起床.外は霧だった.明るくなってきた午前7時過ぎに筑波大学方面に歩き始め,〈Brodzeit〉にてパンをたくさん買い込む.「紅玉パイ」がそろそろ終わりそうなのでついついお買い上げ.そのうち霧が晴れて青空が広がってきた.今日はとても快適な空模様になりそうだ.

◆日曜の朝のこまごま —— 博物館法改悪に関する声明のなにやらかにやら.こんな条件緩和はダメでしょう./「事業仕分け」に反対する動きも./[組合]中央オルグは12月10日(木)17:25〜18:15.農環研の場所取りをしないといけないな./11月17日(火)は全日年休を取ることになった.

◆日中は日射しも暖かく気温も高めで,初冬にしては穏やかな日和になった.肌寒い日々が続いていたのでよけいそう感じるだろう.

◆ダーウィン書簡セレクション —— Frederick Burkhardt, Samantha Evans and Alison Pearn (eds.)『Evolution: Selected Letters of Charles Darwin 1860-1870』(2008年刊行,Cambridge University Press, Cambridge, xxii+308 pp., ISBN:978-0-521-87412-0 → 版元ページ).ダーウィン書簡集プロジェクトのアウトプットのひとつ.10年ほど前に姉妹編:Frederick Burkhardt『Charles Darwin's Letters: A Selection 1825-1859』(1996年刊行,Cambridge University Press, Cambridge, xxvi+253 pp.,ISBN:0-521-56212-0 → 版元ページ)が出ていたことを思い出した.年代的に連続しているので,あともう一冊はこういう書簡セレクションがそのうち出るのだろう.

◆『系統樹思考の世界』第三刷正誤表 —— 三中信宏『系統樹思考の世界:すべてはツリーとともに』(2006年7月20日第1刷刊行|2006年8月4日第2刷刊行|2009年12月18日第3刷刊行予定,講談社[現代新書1849],ISBN:4-06-149849-5 / ISBN:978-4-06-149849-5 →詳細目次反響録コンパニオンサイト)の正誤表を公開しました.指摘していただいた方々に感謝いたします.

◆今日は久しぶりにゆるりゆるりとしてしまった.

◆本日の総歩数=6669歩[うち「しっかり歩数」4265歩/44分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=85.5kg(+0.5kg)/25.4%(−1.8%).


14 november 2009(土) ※丑三つ時に書評原稿を書き始め

◆今日こそは書評を仕上げるぞ,と午前2時に起床する.農環研へ直行.小雨&西風.気温は11.3度.午前5時半まで研究室で粘るものの,結局はかばかしい進捗はなかった…….書けないときは徹底的に書けないものだから,なるようにしかならないのだ(と開き直ってみる).

◆書評内容に関連しそうなことがらを列挙 ——

  • 「ビュフォンの法則」とは「たとえ同じ環境条件でも異なる地域には異なる生物が分布する」という法則のこと.(Nelson 1978: 274-275)
  • ビュフォンの『博物誌』には生物地理学的な意味での「発祥地(patrie d'origine)」の観念が見える.(ロジェ 1992: 352)
  • ウィリアム・ヒューウェルにとって生物地理学は分類科学(classificatory sciences)ではなく古因科学(palaetiological sciences)のひとつだった.
  • 「原風景」とはローカルな地域ごとの「心象風景」か?
  • etc...

—— でも,いまひとつダメなんですねー.困ったなあ.

◆午前6時前に資料をどっさりもって帰宅する.雨が本降りになってきた.肌寒い.午前いっぱいは部屋にこもってうんうんうなってみるがダメなものはダメ.午後になって雨はあがり空がしだいに明るくなってきた.真っ赤な夕焼けを見ていたら,いきなり降臨してきた.ほんの一時間ほどで原稿をすべて仕上げて,日経サイエンス編集部にメール送信完了.たいへんお待たせしました.たかだか1500字の書評にここまで苦労するとはねぇ…….

◆〈醸し人九平次〉な夜 —— 何日もひきずってきた書評原稿の重荷がやっと降りてくれたので,ご褒美に名古屋の萬乗醸造が出している〈醸し人九平次〉の「純米吟醸・山田錦」を開けることにした.色は透明にして,香りは白ワインのごとし.この軽やかで微炭酸な感じはとても好ましいな.茨城の須藤本家が出す〈郷乃誉〉の「山桜桃」のような味わいかな.寒くなってきたこういう季節には海鮮鍋をいただきつつ日本酒ですねぇ.善哉善哉.

◆夜になって気温が上がってきたようだ.

◆本日の総歩数=2931歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=85.0kg(−0.4kg)/27.2%(+0.2%).


13 november 2009(金) ※朝イチから夕方まで研修の一日

◆午前4時起床.曇りときどき小雨.気温8.2度.初冬の景色が見えてきた.街路樹のフウノキも農林団地のイチョウもそこそこに色づいているが,みごとに紅葉とはならないのは気温が高い日が続いたせいかもしれない.今日は“公務”で一日がつぶれる…….

◆数理統計研修(基礎編)の最終日 —— 9:00〜12:00は今年度から新たに開講した「計算機統計学入門」.リサンプリング統計学の講義と実習.R2.10.0 はやはり挙動がアヤシいな.昨日のR実習(午後)も不幸が頻発したらしい.スクリプトを保存できないというトラブルがあちこちで.竹澤尊師曰く:「最新版のRなんか使うからそういうことになるんです.ワタシのRは2.7ですよ」とのこと.流行を追ってはいけませんか…….正午でおしまいにする.

◆昼休みはあってなきがごとし.

◆午後1時からは統計研修最終日の「質疑討論」.たっぷり2時間かかって,午後3時過ぎにやっと解放された.基礎編はこれにて終了.来週からは応用編だ.

◆へろへろと農環研に帰ってきたら,行政刷新会議の「事業仕分け(WG3)」に関するツイッター中継(#shiwake3)が怒濤のごとく荒れ狂っていた(こりゃスゴいねぇ……).スパコンは吹っ飛び,Spring-8は弾ける.若手研究者予算を削っていったいどーするって!

◆書評を書く夜 —— 先月から依頼されていた日経サイエンス書評本:アラン・バーディック[伊藤和子訳]『翳りゆく楽園:外来種 vs. 在来種の攻防をたどる』(2009年9月24日刊行,ランダムハウス講談社,446 pp.,本体価格2,400円,ISBN:978-4-270-00532-3 → 目次版元ページ)がずっと読み終わらなかったが,遅ればせながらやっと読了.書評の締切をずいぶん過ぎてしまったが,そろそろデッドラインだ.加圧が続く.書評本を手にしてうろうろするものの,なんだか書き進めない.こういうときはライブラリーに沈みこむしかないだろうと観念して,紙魚に変身する.関係しそうな本をピックアップしてみた:

  • ジャック・ロジェ[ベカエール直美訳]『大博物学者ビュフォン:18世紀フランスの変貌する自然観と科学・文化誌』(1992年4月10日刊行,工作舎,東京,572 pp.,本体価格6,500円,ISBN:4-87502-196-8 → 版元ページ
  • ジョルジュ=ルイ・ルクレール・ビュフォン[ベカエール直美訳]『ビュフォンの博物誌:全自然図譜と進化論の萌芽』(1991年11月10日刊行,工作舎,東京,xvi+336+18 pp.,本体価格12,000円,ISBN:4-87502-190-9 → 版元ページ
  • Gareth Nelson (1978), From Candolle to Croizat: Comments on the history of biogeography. Journal of the History of Biology, 11(2): 269-305.

ま,要するに,ビュフォン様を召還しようというもくろみだったのですが,あまりうまくいかなかったかも…….

◆午後8時にぐったりと撤収する…….冷たい雨が降っていた.さすがにそろそろ何とかしないとヤバすぎる…….

◆本日の総歩数=7326歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=85.4kg(−0.3kg)/27.0%(+0.3%).


12 november 2009(木) ※つくばのお座敷,駒場のお座敷

◆午前4時半起床.雨上がりの曇り空.気温は低く,午前9時になっても12.8度にしかならない.今日は肌寒いとの予報だ.

◆〈本のある時間〉 —— オープンしたとのこと.編集長はかの高宮利行さん.図書館なコミュニティ.

◆数理統計研修は御難続き —— 午前8時半過ぎに筑波事務所のプレゼンテーション室に入る.パソコンのセッティングを完了し,午前9時の定時に講義開始.今日は終日「R実習」ということになっている.いつも通り,持参のUSBメモリーで,Rインストーラー(R 2.10.0 / R.2.9.2)をはじめ,Rコマンダー関連のパッケージ群,テストデータ,ドキュメントなどなど,計200MBあまりを受講生各自のノートパソコンにインストールしてもらう.

この手順はこれまでもう何度もやったことなので,この段階でトラブることはほとんどないはずだったのだが,最新版のR.2.10.0 のインストーラーが“文字化け”を吐き出したあたりから,暗雲が漂い始めた.もちろん,Windows Vista が「万人を不幸にするOS」であることは周知の事実なので,そもそもインストールできませんというVistaユーザーたちをシアワセにするおまじないを唱えたり,「Macを持ってきましたぁ……」という方には,備え付けのノートPCを貸し出したり,という対処はとくに手こずることはなかった.

ところが,今回はそれ以外の不幸せが頻発した.パッケージを開くと警告が出たりする.要するに,R本体とパッケージとの相性がまだワルいということらしい.また,R関係の読み書きファイルは,デスクトップではなく My Documents フォルダーに置いた方が無難であることを確認した.その他,マイクが通らなくなったり,持参したPCがいきなりフリーズしたり,という予期せぬ災厄が続々と.

—— 正午に実習を終わったときは,そうとう疲れてしまった.受講生も同じだったにちがいない…….午後もR実習は続くのだが,ぼくの当番はここでおしまい.

◆休む間もなく駒場へ移動 —— 13:25発のTX快速に乗り駒場へ.午後になっても曇天で気温は低いまま.午後3時前に駒場東大前に降り立つ.北寄りの風が強くなってきた.駒場祭は来週末だ.非常勤講師室にてしばし支度を,とはいっても,いたるところで同じような内容の講義をしているので(相手はことごとくちがうが),とくに用意しないといけないものは何もないことに気づく.

16:20〜17:50.駒場高座(5).今日は乱隗法を中心に,一要因実験計画と二要因実験計画,さらに分割区法(split-plot)と細分区法(strip-plot)まで話をした.

—— 講義の合間に,いま進行中の「行政刷新会議」の「事業仕分け(WG3)」のライヴ中継とツイッター中継(#shiwake3)をフォローするように学生を教唆した.科学技術関連予算の“政治的”な扱われ方を知っておくことは学部生にとってもきっと必要でしょう.

◆往復車中読書 —— 締切を過ぎている書評本:アラン・バーディック[伊藤和子訳]『翳りゆく楽園:外来種 vs. 在来種の攻防をたどる』(2009年9月24日刊行,ランダムハウス講談社,446 pp.,本体価格2,400円,ISBN:978-4-270-00532-3 → 目次版元ページ).原書は:Alan Burdick『Out of Eden: An Odyssey of Ecological Invasion』(2005年刊行,Farrar, Straus and Giroux, ISBN:0-374-21973-7 → 著者サイト版元ページ).侵入動植物によって生物多様性がどのように攪乱されているのかのルポルタージュ.変化のプロセスは科学的に研究できても,「手つかずの自然」という保全対象(パターン)はヒトの心理的本質主義が生み出した幻想にすぎないのかもしれない.

◆なんのかんので「500」ツイートに到達しました! —— 最近はこの dagboek を書く時間が取れないことが多いが,ツイッターに備忘メモを残しておくと,あとで日録をまとめるときにとても役に立つことに気がついた.もちろん,一日一枚の紙片メモは励行しているが,それとは別にツイッターの「メモ」も併用中ということだ.

◆明日も朝イチから午後まで統計研修講義が続く.

◆本日の総歩数=8970歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=85.7kg(−0.1kg)/26.7%(+0.2%).


11 november 2009(水) ※風雨とともに【種】本が届いた

◆午前4時半起床.未明から風雨が強い.気温17.4度.

◆トド撃ち予定 —— 今日は統計研修講師のお仕事からは終日解放されているが,日経サイエンスの書評原稿を書き上げないといけない.締切までマイナス一日./今年度の東大での「エコロジカルセイフティー学特論(I)」の担当日は12月4日(金)10:00〜16:00と確定した./今月末の計量生物学会対面理事会は,11月28日(土)11:00〜12:30,京都大学医学部にて.出席する予定.

◆午前いっぱいは風雨が強かった.統計研修受講生からの質問メールが届く.最終日に質疑の時間があるので,そのときに答えます.

◆「dagboek」 のアクセス数が「30万台」に到達 —— 先日,〈leeswijzer〉が「百万台」に突入したのに続いて,今度はこの「dagboek」が「30万台」に乗った.カウンターをdagboekに設置しはじめてから二年半,「20万台」になった今年1月6日から数えて十ヶ月あまりのことだ.読者のみなさん,どうもありがとうございます.ここのところ,さぼってはかため書きという悪循環が続いていてすみませんねぇ.

◆同じ著者の【種】の本が二冊も届く! —— John S. Wilkins『Species: A History of the Idea』(2009年9月刊行,University of California Press[Series: Species and Systematics 1],Berkeley,xiv+306 pp.,ISBN:978-0-520-26085-6 [hbk] → 目次版元ページ).生物学哲学者John S. Wilkinsによる【種】の本の第一弾.あくまでも「A History of the Idea」であって,「The History of an Idea」ではないのですね?(笑) 同じ著者による【種】の資料集:『Defining Species: A Sourcebook from Antiquity to Today』を座右に置くべし.

もう一冊は:John S. Wilkins『Defining Species: A Sourcebook from Antiquity to Today』(2009年11月刊行,Peter Lang[Series: American University Studies; Series 5: Philosophy, vol. 203], New York, xiv+224 pp., ISBN:978-1-4331-0216-5 [hbk] → 目次版元ページ).John S. Wilkinsによる【種】の本の第二弾.プラトンに始まり現代にいたるまでの【種】に関する学説集成というか発言録.同じ著者による:『Species: A History of the Idea』のコンパニオンブックという位置づけだろう.

◆午後のこまごま —— メーリングリストの登録作業などを小一時間./明日の統計研修での「R実習」のための準備.USBメモリーに必要なソフトウェア類をすべて格納する.コピーを五本つくったので作業終了.ついでに,講義プレゼンテーション用のスライドの確認とパソコンの動作確認.

◆午後7時に準備完了したので撤収.雨が降り続いていた.

◆本日の総歩数=4497歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=85.8kg(−0.2kg)/26.5%(+0.1%).


10 november 2009(火) ※年に一度の収穫祭に太鼓を叩く

◆午前4時半起床.薄曇り.半月が雲間に浮かぶ.気温13.4度.冷え込みまるでなし.今日は夜の収穫祭に備えて朝もバス通勤だ.

◆午前のこまごま —— 『系統樹思考の世界』の修正箇所リストづくり.『過去を復元する』の復刊版元はこの増刷で初めてオモテに出しますねー(返信感謝).その他,こまごました修正あり.叩けば叩くほどホコリが立つという感じ.どこまで叩きまくるか…….何とか正午前に完成させたので音羽にメール送信した.返信によると,第三刷は「12月18日」の発売予定だそうだ./今週の駒場三点セットを準備完了.コピーは後ほど./東大の居室引っ越しに関する連絡あれこれ.よろしくよろしく.

◆昼休み,今夜の収穫祭の会場となるがらんとした別棟で〈つちのうえ太鼓隊〉の G. P. を.響く響く.雲が多く,気温も湿度も高めだ.

◆午後の統計研修講義 —— 午後1時〜5時まで「実験計画法」.しかし,最初の一時間ほどは,正規分布を中心にして,確率分布とパラメトリック統計学の話をした.その後,偏差・平方和・分散の概念の導出を経て,実験計画と分散分析についての説明.この辺りの講義はいたるところでやっているので,まったく何のよどみもなくさらさら話せるのはとてもラクだ.

◆今年の農環研〈収穫祭〉 —— 午後5時前に講義終了.急いで収穫祭の会場に駆けつける.毎年欠かさずこのイベントには出ているが,たいてい飲むよりも食べる方にウェイトが置かれていて,たくさん摂取してしまう.今年もふんだんに食べ物が並べられた.稲刈りの儀式からはじまって,いつも通りの「歓談の場」と化していく.〈つちのうえ太鼓隊〉,もちろん響き渡りました.やっぱり本番はリキが入るなぁ.午後7時過ぎまで短期決戦的に飲み食いして,昨日と同じく午後7時半のつくばセンター行きバスに乗った.午後8時過ぎに帰宅.昨日も今日も飲んだ割には異様に帰宅時間が早い.

◆日中は曇り空ながらなんとかもった.しかし,日が変わる頃になっていきなり本降りの雨がざあざあ降り始めた.天気予報によると発達した低気圧と前線が東に進んでいるそうだ.明日は終日雨模様らしい.

◆この「dagboek」がもうすぐ「30万アクセス」の大台に乗りそうだ.明日かな,明後日かな?

◆本日の総歩数=10224歩[うち「しっかり歩数」907歩/13分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=86.0kg(+0.5kg)/26.4%(−0.8%).


9 november 2009(月) ※夜明けの霧筑波,統計研修開幕

◆午前4時半起床.乳白色の霧が深く,遠くが見えない.気温9.9度と高め.

◆早朝のこまごま —— [組合]今年から勤評に関する組合の方針が変わって,統一要求は分会レベルでは出さないことになった.あとは,職場諸要求だけで,これは班ごとにまとめて直近の管理職との話し合いを持つということになる./明日の火曜に,今年のエコロジカル・セイフティー学特論の日程に関する話し合いを持つことになった.

◆統計研修の初日 —— 午前9時過ぎに筑波事務所の情報センターに陣取って直前の講義準備を進める.今日からの二週間は筑波事務所で数理統計研修だ.全国からつくばに出家修行に来た受講生諸氏はしっかり洗脳されようね.今日しょっぱなの「統計学概論」で,まずはしっかり“初期化”してさしあげます.あとはもう刷り込み放題ということ.

待ち時間に〈ZoomIt version 4.1〉の使用法を復習したのだが,バージョンアップされてさらに多機能かつ便利な画面拡大ツールになっていたことを知る.しばらく使わなかったペン・タブレットを復活させようかな.

◆「統計学概論」(10:30〜12:00) —— 毎年どおりの内容だが,年ごとに微調整をしながら講義を進めていく.統計的思考・データ可視化・確率分布までをざっと話した.午後の講義は死なないように.夕方の懇親会でまた会いましょう>受講生諸氏.

◆今日の昼休みは曇りときどき晴れで,気温は20.3度.ほどよく暖かくて,屋上でのタイコの練習にはぴったりだった.明日は昼休みに収穫祭会場にて G. P. となる.

◆午後のトド撃ちは不調 —— 午前中,居室を離れている間にたくさんの火山弾や火山灰が降り積もっている.至急のトドから順番に撃ってはいるのだが,ぜんぜん追いつかない.たくさんの仕事が向こうからやってきてはそのまま締め切り日が頭上を過ぎ去っていくさまを眺めると,「源泉かけ流し」という言葉をつい思い出してしまう.かつては滞留していたのに,最近では何も手出しできないまま流れ去っていく…….

それでも,何頭かは撃ち果たす:『生物科学』編集委員会は12月5日(土)15:00〜17:00.しかし,この日は,日本学術会議主催公開講演会「ダーウィン生誕200年:その歴史的・現代的意義」,2009年12月5日(土)13:00〜17:00,日本学術会議講堂(→ 日本学術会議サイト)があるので欠席します.編集委員の任期については延長機希望で返事を出した./メーリングリストの雑用しばし.そして,またまた遅れてしまった月例アナウンスをようやく流した.

◆つるべ落としの夕闇が迫ってくる頃,再び筑波事務所に向かう.目指すは,統計研修の懇親会会場.事務所食堂の隣りにあるオープンスペースにて,午後5時半から始まった.北海道から沖縄まで日本全国からの研修生を迎えるこの統計研修の教壇に立って,今年でもう20年目だ.

食べ物はふんだんにあるのだが,飲み物がビールとソフトドリンクのみというのは,ちと物足りない.石岡の〈府中誉〉の季節限定品である新酒しぼりたて「にごり酒」があったのは正解だったかも.微炭酸でフレッシュ.上ずみはとてもさわやか.底近くの濃厚な味わいもまた格別ということで,やっぱり旬のお酒は美味だな.午後7時半に途中で失礼して,最終のバスでつくばセンターまで帰った.夜になってもぜんぜん気温が下がらない.11月だというのに,日中は半袖で過ごす日も少なくない.変な天気.

—— 明日もまた午後いっぱい「実験計画法」の講義がある.

◆本日の総歩数=8924歩[うち「しっかり歩数」2904歩/28分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=85.5kg(0.0kg)/27.2%(+1.2%).


8 november 2009(日) ※明け方に遠くが霞んで髪を切る

◆午前5時起床.遠くの景色が霞んでいるのは靄のせいか.朝日とともに晴れてきた.午前6時半までぐでぐでする.

◆一週間ぶりの朝の歩き読み —— 筑波大学方面へ一時間あまり.歩行の友は:リン・バーバー[高山宏訳]『博物学の黄金時代』(1995年10月30日刊行,国書刊行会[叢書〈異貌の 19世紀〉],東京,431+21+xiv pp.,ISBN:4-336-03493-1 → 目次).11章まで読了.女性ナチュラリストたちの大活躍.バックランドの息子がこれほど商才に長けているとは知らなかった.そして自然史博物館の興亡史などなど.

帰り道に天久保の〈Bäckerei Brotzeit〉にて,今の季節だけの「紅玉パイ」を買った.もともとつくばは「パン激戦区」だが,それでもこれはというパン屋には朝イチで行かないと,目指すパンが売り切れてしまうことがよくある.今朝,朝イチで歩いてブロートツァイトに行ったら,さいわい再び「紅玉パイ」をゲットできた.二度と同じ轍は踏まない.喰われる前に賞味した.コンポートされた紅玉リンゴの甘酸っぱさとカスタードクリームの甘さがとてもいいバランスで,さくさくしたパイといっしょにかぶりつけばハッピーな朝.淡いピンクの色合いがとてもいいでしょ? 今季の「紅玉パイ」はそろそろ終わりだと奥さんが言っていたので,買いたい向きは店にすぐ走るべし.

◆三ヶ月ぶりに髪の毛を切ってみる.午後になって,東寄りの風が吹き,曇って気温が下がってきた.

◆『系統樹思考の世界』第3刷増刷に向けて —— 日曜の昼下がりに農環研に潜入してごそごそ.修正箇所一覧リストをつくっているところだが,意外に多くの修正点が浮上してくる.とくに巻末の文献リスト.ソーバーの翻訳書がその後出ていたりして加筆修正が必要だ.さて,『過去を復元する』の復刊版元を公開すべきかどうか,見極めがいるなぁ.念のためお伺いを立てるか.

いまいちど,読み返してみてわかったこと.三年前にこの『系統樹思考の世界』を書いていたときは自分自身では意識していなかったのだが,再読してみると,『分類思考の世界』をゆくゆくは書くことを前提にしているかのような記述が頻出していることにあらためて気付かされる.「分類」とか「種」の噺をすることはその頃からすでに予期されていたわけだ.

—— いずれにせよ,『系統樹思考の世界』第3刷修正リストは火曜までに音羽に送るべし.

◆迫る日没のトド撃ち —— 午後5時半,夕暮れの中を帰宅する.先週はワークショップのお世話で農環研にいなかったが,案の定トドどもが空き部屋で我が世の春を謳歌していた…….まずはワークショップの講師陣と研究交流課に礼状メール./進化学会の高校生ポスターに関する残務処理.

◆夕食は湯豆腐をつつきながら,鳥取の〈諏訪泉〉の「ひやおろし」など.季節の味わいですなぁ.

◆明日から二週間,毎年恒例の〈数理統計研修〉が始まる.今年の担当講義は,「統計学概論(1コマ)」,「実験計画法(2コマ)」,「Rによる統計解析(2コマ)」,「計算機統計学入門(2コマ)」,そして「総合討論(1コマ)」,以上が基礎編.後半の応用編は,「多変量解析概論(1コマ)」と「総合討論(1コマ)」.

◆本日の総歩数=13637歩[うち「しっかり歩数」7200歩/64分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=85.5kg(−1.0kg)/26.0%(−1.5%).


7 november 2009(土) ※燃え尽き週末はゆるゆる過ぎて

◆午前5時にいったん起きようとしたもののさすがにダメで,再度のご就寝.午前8時にのろのろと活動開始.朝からこんなことではもう終わっている.外は最初は曇っていたが,しだいに晴れてきた.しかし,前夜の酒池肉林の後遺症で,ほぼ使い物にならないワタシ…….

◆ワークショップ総括 —— 昨日までの分子系統ワークショップについては,受講者から回収したアンケートを集計中の事務局によれば,「満足度」がきわめて高かったとのこと.これは来年もまた開催してほしいとのリクエストがあるにちがいない.関係者ならびに受講者のみなさん,たいへんありがとうございました.今回のワークショップは,初回だった昨年と比べて運営上たいへんスムーズに進行し,ムダに費やされた時間がほとんどなかったと思う.その点ではとても密度が高かったといえるだろう.

系統樹の好きなそこのアナタ! 分子進化モデル選択のドロヌマに沈んでいくも人生なら,軽やかに超越するのもまた人生.ユーザーの人生とディヴェロッパーの人生とははたして重なり合うのか? 分子系統学の奥はとてもとても深いのだ —— とワークショップを勝手に私的総括してみるワタクシ.

◆週末のこまごま(トドの遠吠え) —— 来年度の東大理学部「生物統計学」の講義は,駒場ではなく,本郷で開講される可能性が高いという連絡ある.曜日と時限は変わらない(木曜五限)のだが,場所が駒場から本郷に移ると,来年から同じ木曜日に開講される玉川大学農学部での「生物系統学」が終わった後の移動時間を確認する必要があるな.最初の予定では「玉川学園前→駒場」という移動を想定していたので./[組合]秋闘中央本部オルグの農環研での開催日程は12月10日(木)17:25〜18:15.会議室を確保しないといけない.いずれにしてもぼくは欠席なんだけど.

◆久しぶりに旧ニフティーの〈昆虫フォーラム(FKONCHU)〉からのつながりを痛感した.無時間的には「種」が定義できるだろうというのはマイアーそのもの.時空ワームの断片が「実存」するという主張は,形而上学的にかなりヤバいことを口にしているんじゃないの? それとも,「種」のことは分類学者に訊け!ということですか? その昔,ニフティーの〈昆虫フォーラム(FKONCHU)〉がコミュニティーとして機能していたころ,「種」に関する論議をしばらく続けたことがあった.もちろん,EVOLVEメーリングリストでの数次にわたる「種論争」と同様に,〈昆虫フォーラム〉でのスレッドも長くは伸びたのだが,結局,納得する人は納得し,しない人は最後まで信念を曲げなかったので,そのままフェイドアウトしてしまった記憶がある.もちろん,現場の分類学者にとっての「種」はぼくのような立場からの発言をする人間とはちがう感覚をもっているのかもしれない.それでも,「種」は「実存する」というような発言のバックグラウンドがどこにあるのかを探ったのが本書であるし,その意味で現場の分類学者にこそ『分類思考の世界』を手に取っていただきたい.その上で彼らがここに書かれていることに違和感あるいは疎外感を感じるとしたら,その理由がどこにあるのかを考えていただきたいというのが,長年にわたってさまざまな「場」で「種」に関する論議をしてきたワタクシの願いだ.〈昆虫フォーラム〉で活躍してきた方々は,ニフティーのフォーラムが閉鎖されたあとも,それぞれのブログあるいはミクシィのコミュで発言されているようだ.とくに,〈昆虫フォーラム〉でのスレッドのエンディングは,安永一正さんからぼく宛の一連の質問状で終わっていた.彼の質問状に対するぼくからの回答を『分類思考の世界』によって呈示できたことは幸いだった.

◆午後は東風が吹いていた.夕焼けが映えていた.

◆本日の総歩数=1341歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=86.5kg(+0.8kg)/27.5%(+0.4%).


6 november 2009(金) ※快晴好日ワークショップ最終日

◆午前4時半起床.星空.気温5.4度.きりっと冷え込む夜明け前.しかし,朝日が射しこむとともに,気温は上昇.日に当たれば暖かく,しかも空気は乾いて冷たいという快適さ.

◆分子系統ワークショップ(最終日) —— 午前8時半に電農館に到着.快晴.筑波事務所の宿泊施設をチェックアウトし,大きな荷物を抱えた受講生が次々に入ってくる.朝晩はきりきり冷え込むこの季節に,宿泊施設では暖房が入らないという.実に厳しい勉学環境ですなぁ.

午前9時から岸野洋久さんの「分子進化学と分子系統学」のレクチャー.いつものようにソフトな滑り出しに引き込まれていくうちに,いつの間にか息をしていない自分を発見するみなさん…….たいへんお疲れさまでした.分子進化・分子系統の分野での「統計学的思考」とはこういうことを言うのだろう.

午前10時半からは“さかなクン”宮正樹さんによる魚類分子系統学のレクチャー.国内外で話題になった最新のトピックスが次々に登場する.正午過ぎまで.とてもいいプレゼンテーションだった.中心的話題は,UNIX環境での〈RAxML〉による最尤系統推定法を用いて「2282種」という大規模データの系統樹を構築する話.全長配列と部分配列を含むデータ超行列を出発点として,最節約初期系統樹からRAxMLの高速ブーツストラップにより樹形選択をする(分子進化モデルはGTR+Γ).その際,全長配列による樹形制約を科している.もうひとつは全長配列と部分配列それぞれから最尤系統樹を推定し,MRP法によるスーパーツリーを構築する.いずれもリーズナブルな計算時間で推定が得られるとのこと.

快晴の昼休みののち,午後1時過ぎからは,川北篤さんの「共進化分析」の講義.昨年と同じく,TreeMap,TreeFitter,そして CopyCat を用いたデモンストレーションと実習.ここ数年,cophylogeny の解析は方法論的なブレークスルーがないような気がする.午後3時過ぎまで.その後は田辺さんによる実習と参考資料の説明,最後に質疑応答の時間を取って,午後4時半過ぎに今回のワークショップは終了した.みなさん,お疲れさまでした.

「分子進化モデルにあれこれこだわってもしかたがないではないか」という意見はユーザー側の観点からは確かに説得力がある.しかし,置かれた仮定が推定結果にどのような影響を及ぼすかは調べてみなければわからないのも事実であって,だからこそ論議が今にいたるまで続いているのだろう.「最尤法だったらもっとも一般的・包括的なGTRモデルさえあればいい」というスタンスは,「じゃあいっそのことマキシマムに一般的・包括的である no-common-cause な最節約法でいいじゃん」という結論を導くだろう.

—— 今回のワークショップのフォローアップのために,やはりコンパニオンサイトを開設しておいた方がいいだろうね.

◆どーんと打ち上がる夜 —— するすると夕闇が降りてくる午後5時過ぎ.ワークショップ後に打ち上がりたい面々が農環研のぼくの居室を襲撃し,あれこれアヤシい本どもを視察しにきた.この部屋には本しかお見せするものがないのでね.午後6時半,7人が車に分乗して,予約済みの〈笠真〉に到着.ご無沙汰しています.すでに地場野菜の前菜と鮟鱇鍋のしたくが.いつも通り大山ビールで乾杯.酔っぱらわないうちに,店主さんの『分類思考の世界』にサインをする(お買い上げ感謝です).

その後は〈村祐〉から始まる日本酒の世界にずぶずぶと沈んでいく.お馬さんが登場し,馬刺の他に“焼き馬”も.馬を焼くととても美味になることを知った.TJさん,ここでやっと登場.地元の〈霧筑波〉の純米大吟醸「知可良」はとてもいい味わい.そのほか,〈十四代〉と〈文佳人〉などなど.ふと気がつけば,まわりではすでにつぶれていたり,すーすーと寝息が聞こえているメンバーあり.鮟鱇鍋のあとは,湯豆腐になり,最後は雑炊に変身する.酒を飲む以上にさんざん喰いまくった気がする.常陸牛の分厚い焼き肉もホットプレートでいいだきました.しごく美味.たいへんごちそうさまでした.

—— 午後10時過ぎに代行が大半は来てつくば駅まで運搬されていった.無事に東京まで帰り着き,あるいは仙台への夜行バスに乗れたのだろうか.ikushimoさんは徒歩で,TJさんは自転車で,ぼくは車を放棄して歩いて帰宅する.午後10時半.さんざん飲み食いした割には早く帰宅できた.しかし,今夜はもう使い物にならないので,そのままお休みでございます.

◆本日の総歩数=9450歩[うち「しっかり歩数」1587歩/18分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=85.7kg(+0.1kg)/27.1%(−0.4%).


5 november 2009(木) ※薄曇り,ワークショップ二日目

◆午前3時半に起床.星空くっきり.フルムーン.気温6.7度.昨日よりは冷え込まないが,それでも寒い.朝焼け鮮やか.

◆早朝のこまごま —— 今年開催予定だったのに豚インフル騒動でキャンセルされてしまった〈ICSEB〉だが,2011年にベルリンで開催するという案が浮上してきた.しばらく休止状態にあったIOSEB委員会の「再起動」に関する投票など.今度こそスムーズに進んでほしいものだ.

◆分子系統ワークショップ(二日目) —— 今日は懇親会は予定されていないので,安心して車で通勤することができる.昨日よりも雲がやや多い.午前8時過ぎに家を出て,電農館へ.

午前9時から「系統推定論」の講義を一時間ほど.その後,田辺晶久さんが「分子進化モデル選択」について正午までたっぷり2時間のレクチャー.その後,昼休み.〈davidpain〉でパンを調達してから,農環研へ.日録をアップしてから,また電農館へ戻る.午後1時から田辺さんによる講義の続き.分子進化モデル選択の実習(kakusan)と最尤法(phylogears)を用いた実習が2時間ほど続く(たいへんお疲れさまでした).そういえば,今年は「ベイズ」が出てこないのね.ベイズ統計と Bayesian MCMC のリクツはぼくが初日に説明したが,ソフトウェアを用いての実習はまだやっていない.明日の宮正樹さんの講義もベイズ法ではなく最尤法だし.今回のワークショップでは〈MrBayes〉には深入りしない?

続いて,午後3時からは首都大の田村浩一郎さんによる〈MEGA-5〉の講義と実習.田村さんたちが開発したMEGAの新バージョン〈MEGA-5〉は世界初公開の顔見世となる.現時点では,テスト版として一般に公開される「β版」の前段階である非公開の「α版」だそうだ.〈MEGA-5〉の最大のセールスポイントは「最尤法」を実装したというところにある.これで,〈PAUP*〉と同じく,〈MEGA〉も距離法・最節約法・最尤法の三つの系統推定法をそろえたことになる.分子配列のアラインメントから始まって,進化距離の計算,分子進化モデルの選択,そして系統推定,さらに祖先配列の復元など,系統樹を中心とするさまざまな分子進化解析のためのさまざまなツールを〈MEGA-5〉を提供する.田村さんの話では,今後も三年置きに〈MEGA〉をバージョンアップしていくそうだ.公開された系統推定ソフトウェアには開発者の「姿勢」が感じられるものだが,〈MEGA〉もその例外ではない.

—— 午後5時半にワークショップ二日目の講義は終了.外はもう暗くなってきた.今日は呑み会はないので,各自解散ということになる.

◆『系統樹思考の世界』第3刷決定! —— 講義室のパソコンでメールチェックしたら,音羽から「第3刷の重版決定です」との知らせあり.そーかぁ,『分類思考の世界』が早々と第3刷かぁ,うっかりそのままツイッターに流したのだが,よくよく連絡メールを見たら,新刊の方ではなく前の『系統樹思考の世界』が重版されることがわかった.現代新書編集部の話では,『分類思考の世界』の相乗効果で姉妹本も売れ行きが伸びたのでしょうとのこと.ありがたいことです.重版に向けて,来週の火曜までに正誤表を音羽に送らないといけない.

◆午後6時過ぎにさくっと帰宅.夜はこまごま —— 今月末の京都出張の宿泊先がやっと確定した.11月27日(金)は洛中の〈日昇別荘〉,翌28日(土)は洛南の〈京都第一ホテル〉.観光シーズンど真ん中の京都は,ほんとにホテル予約に難儀することを痛感した./明日の〈笠真〉の予約は完了した.18:00〜.よろしく.打ち上がりましょう.>ワークショップ関係者諸氏.

◆本日の総歩数=7797歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=85.6kg(+0.7kg)/27.5%(+0.6%).


4 november 2009(水) ※早朝厳寒,ワークショップ初日

◆午前5時半起床.晴れ.今季一番の冷え込み.きりっと快晴.吐く息が白い.

◆早朝のこまごま —— 人類学者 Claude Lévi-Strauss が逝去(→ ルモンド紙・訃報:「L'ethnologue Claude Lévi-Strauss est mort」).享年百歳./〈leeswijzer〉がもうすぐ「百万アクセス」になりそう.

◆第141回農林交流センターワークショップ〈分子系統樹推定法:理論と応用〉初日 —— 久しぶりのバス通勤.晴れときどき曇り.つくばセンター発7:42発の牛久行きに乗る.40分かかって農林団地中央へ.ここまでは380円,しかし,ふたつ先の農環研までは430円となる.ノートパソコンを携えて,ワークショップ会場である電農館まで歩く.しだいに気温が上がってきた.去年のワークショップと同じ場所だ.午前9時半からワークショップ開始.最初は「系統学概論」(9:30〜10:30),続いて「統計学概論」(10:30〜11:50).いずれもいつも高座にかけているネタなのでとくに準備しなくても大丈夫.ここで昼休みが一時間.

◆晴れわたる昼休みにもワークショップ関連メールが散発的に飛び込んでくる.そのつど事務局に転送したり,返信したり.

◆午後のワークショップ —— 13:00〜15:00 は,斎藤成也さんの「系統ネットワーク論」.最初はアラインメント・ソフトウェア〈MISHIMA〉の紹介.その後は系統ネットワーク.高次元ネットワークを読み書きするための「リテラシー」を身につけるまでのハードルはなかなか高いようだ.斎藤画伯は「アーティストたれ!」と言うのだが…….15:00〜17:00 は,伊藤剛さんの「ゲノム探索とアラインメント」の講義と実習.こちらはとてもプラクティカルな話.

備忘メモ —— 斎藤成也『現代進化学の道程』(2009年12月刊行予定,NTT出版,東京).もうすぐ出るとのこと./ユダヤ教とヒンズー教の文化圏で「豚肉」を食べない理由は,偶蹄類なのに反芻しないという意味で「豚」が「分類不能生物」だからだとのこと.

◆午後5時半から農林交流センター・第二セミナー室にてワークショップ懇親会.酒も肴もふんだんに.日本酒は,大阪〈秋鹿〉の純米吟醸「歌垣」,出雲〈王碌〉の「渓」,ついでに新潟〈久保田〉の「千寿」.つくばセンター方面行き最終バスが出る午後7時半はあっという間に超過して,午後8時まで一次会は続いた.余ったものはすべて宿泊施設に運ぶことにして,解散.ぼくは課長さんの車に同乗させてもらい,竹園まで運んでもらった.宿泊施設では二次会が盛り上がったにちがいない.

◆午後8時半に帰宅した.こんな早い帰宅にもかかわらず,疲労度がとても高い.

◆〈leeswijzer〉が「百万アクセス」達成! —— 朝から予想していたが,夜になって〈leeswijzer〉が百万ヒットを越えた.この書評ブログを開設したのは「2005年1月9日」のことだった.それから4年10ヶ月が経過し,こうして百万の大台に到達した.訪問者諸氏,どうもありがとうございます.これからもよろしく.

◆今夜は風呂に入って早々に寝ることにしよう.明日のワークショップ二日目も朝イチから講義をしないといけない.

◆本日の総歩数=12365歩[うち「しっかり歩数」6283歩/60分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=84.9kg(+0.1kg)/26.9%(−0.9%).


3 november 2009(火) ※冬晴れと北風,文化ならざる日

◆前夜は午後10時過ぎに寝て,午前5時半起床だから,ずいぶん久しぶりに7時間以上も寝てしまった.晴れ.北風が強くて体感的にも実際も寒い.一足先に「冬」がやってきた感じ.

◆文化の日の文化ならざる残務こまごま —— 明日から始まる分子系統ワークショップがらみの連絡メールがぽつぽつと届く.その都度,事務局に転送したり連絡したり./11月27日(金)の京都での宿泊先は,〈日昇別荘〉で確定した.翌28日(土)はまったくホテル予約がとれない.ひょっとしたら実家泊りかも./その前に,計量生物学会講演会と特別セッション&チュートリアルの参加申込みを忘れていたので,あわててオンラインで登録する.

◆朝のうちに〈つくいち〉へ.今日は北風が強くて寒かったせいか,先月よりも客の出足は鈍いようだ.

◆午後も分子系統ワークショップ関連のメールあれこれ.ハンドアウト原稿が火山弾のように着弾したり,その他,こまごました事務メールなど.そうこうするうちにいきなり大噴火が,講師をお願いしていたお一人が,大学の講義とバッティングしてしまうことに今になった気がついたので,ワークショップの講義時間を変更してほしいとのリクエストあり.開始前日になってこういう変更はたいへんシビアなのだが,しかし,実現可能な選択肢を順繰りにつぶしていけばいい.まずは直後の講義との交換.これはダメ.次は翌日との交換.関係する講師たちに事情を説明の上,講義時間の移動を依頼した.関係者全員が同時に移動しないと,この措置はうまくいかない.幸い,これは何とかなりそうだ.

◆連絡作業を一時中断し,午後6時前に夕闇迫る柏へ所用ひとつ.あっという間に所用は終わり,トンボ返りでつくばへ直帰.午後8時につくばセンターに到着した.風が冷たいな.満月が寒空にくっきりと浮かんでいた.

◆車内読書 —— おおば比呂司『割ばしの旅』(1976年5月5日刊行,東京堂出版,東京,207 pp.)を読み進む.日本全国,北から南までの「喰い歩き」の記録.今だったらカラー写真をふんだんにあしらって,ヴィジュアルな本に仕立てあげていたことだろう.しかし,30年も前の本書は実にレトロで味わい深い画文集.絵は著者自身によるデッサンだ.モノクロな絵を見ながら実物の「料理」を想像するのは意外に心地よいかもしれない.あまりにもきれいなカラー写真だと,想像する余地は最初からまるでなくなるからだ.かつての椎名誠の本で同じような趣きの食い物本があったことを思い出した.ひょっとしたらすでに絶滅してしまったタイプの「グルメ本」かもしれない.

◆帰宅後も,夜遅くまでワークショップがらみのメールが五月雨のごとく降りかかり,午後11時半にやっと講義スケジュールの変更が確定した.文化の日が文化ならざることどもで埋まってしまったようだ.いずれにせよ,今日はもうこれで寝ないと明日から始まるハードワークに耐えられない.

◆本日の総歩数=4611歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=84.8kg(+0.1kg)/27.8%(+1.5%).


2 november 2009(月) ※冷たい北風に残務が吹き溜まる

◆午前4時半起床.雨上がりで路面が濡れていた.気温11.9度.曇りときどき晴れ.

◆朝のこまごま —— 8:30から計量生物学会の企画幹事電話会議.何度もしているのでだいぶ慣れてきた.一時間あまり.来年度の年会チュートリアルはぼくが講演することになりそう.次回の電話会議は11月16日(月)8:30から,そのときまでに来年度の年次大会での特別セッション案を出さないといけない./自然史学会連合に進化学会代表委員として参加する.今年の総会は12月19日(土)13:00〜15:00,科博分館(百人町)にて.

◆午前11時半,曇りときどき小雨.気温は13.2度.朝からほとんど上がっていない.肌寒い.午後も雨が断続的に降り続いている.

◆午後のこまごま —— 今月の出張伺(3件)・兼業願(2件)・年休届(2件)・振替申請(11/26←11/28)・外勤届(3件)を提出した.そんなこんなで今月も12日間はつくばにいない.部分的にせよ出勤するのは8日間のみ./異動希望調書を提出した./[組合]地本・農対部委員会,11月26日(木)17:30〜18:30.駒場の講義日なので欠席する.代理を立てろって?/[組合]地本・第2回全分会執行委員セミナー, 12月2日(水)15:30〜,中央農研大会議室.こちらは出席できそう./〈つちのうえ太鼓隊〉の練習は11月9日(月)の昼休み./来年度の出講依頼と事務手続き.横浜国大+首都大学東京+玉川大学.まだぜんぜん書けていません./組合の仕事は何にもしていない…….降り積もる火山灰やら火山弾はすべてそのまま散らかっている.

◆「割ばしの旅」 —— 昨日,〈Shingoster LIVING〉で入手した本:おおば比呂司『割ばしの旅』(1976年5月5日刊行,東京堂出版,東京,207 pp.).オヨヨ書林からの出品.東京堂出版の本にときどきある横長の本.食べ歩きの画文集.今から三十年も前の本なのに,とても趣きがあります.ほんとうは函入り,カバージャケット付きらしいが,真っ赤な装丁の本体だけがやってきた.ありがとう.

◆夕方のこまごま —— 〈MEGA 5〉のインストーラーが南大沢から届く.明後日からの農林交流センターワークショップ〈分子系統樹推定法:理論と応用〉に向けて.トド撃ちの合間に,各講師と事務局とのインターフェイス業務は続く./出張伺の様式が変わっていたそうで,全部書き直して再提出した.タマがムダになってしまった.新幹線のデフォルトは「ひかり」なんですね? 「のぞみ」を使うにはそれなりの理由を上申しないといけないわけ?(アホかいなぁ.あきれてものが言えない……)/計量生物学会のホームページのデザイン投票完了.

◆午後7時過ぎに撤収.冷たい風と時おり雨滴が混じる.晩秋をイッキに飛び越えて初冬のような空模様.明日はもっと寒くなるという.吹き寄せられた残務はまだまだあるのだけれど(加圧メールも届いているのだけれど),すべてを放り出して午後10時過ぎに就寝してしまった.集中的なトド撃ちの疲れかもしれない.

◆本日の総歩数=6715歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=84.7kg(+0.7kg)/26.3%(+1.2%).


1 november 2009(日) ※晴れた霜月の入りは南風が暖か

◆午前3時過ぎにいったん起きて,昨夜からつくり始めた Vlaamse stoofkarbonade に火を入れ始める.とにかく超弱火で長時間煮込むことでおいしさが増すので,時間をケチってはいけない.また寝て午前5時半に本格的に起床する.薄曇りで気温はそれほど下がっていないようだ.

◆久しぶりに朝の歩き読みしつつ筑波大方面へ.公園の樹木がそろそろ色づき始めている.リン・バーバー[高山宏訳]『博物学の黄金時代』(1995年10月30日刊行,国書刊行会[叢書〈異貌の 19世紀〉],東京,431+21+xiv pp.,ISBN:4-336-03493-1 → 目次)を第6章まで読了.

当時の「狂い」(p. 90)たちをめぐるエピソードがおもしろい.とくに,当時大流行した「五点法(quinarianism)」をめぐるごたごたと,その学説が当時の博物学者の業界にもたらした余波の大きさは特筆されるべきだろう.「五点法」を提唱した William Sharp MacLeay とそれを普及させた William Swainson は,結果としてそれぞれキューバとニュージーランドに“国外退去”し,ラッパの吹き手は19世紀半ばを待たずに舞台の袖に引っ込んでしまった.しかし,その萎縮効果は絶大で,以後の分類学者たちは生物に関する「一般化理論」そのものを忌避するように刷り込まれてしまったと著者は指摘する:

それにしても,この五点法とそれが原因となった騒ぎの記憶の方は消えずに,その後長期間にわたって野心的な理論家一統に対する「怖ろしき戒め」ともなり,十九世紀初めに博物学の進展を阻害した一般化理論忌避の風潮を,さらに強めさせてしまうようになる.(p. 92)

とにかく何にしろ一般化理論と聞くだけで人々が急にぴりぴりとし始め,科学界に陶片追放の噂が走ったという時代だったのである.結局,ラマルクからスウェインソンまで,先行した理論家たちはすべてこの苦汁を舐めたわけだし,ほとんどの博物学者が総合志向の理論よりひたすら細部[ディテール]を即こうとしていたのを責めることはできないのである.彼らが特に安んじていそしめたのが種の記載作業である.立派な仕事だし,第一,誰かが必ずやらなければならなかった.こうして多くの博物学者が嬉々として生涯を,この安心立命の単純労働に費やしていくことになる.(p. 93)

洋の東西を問わず,体系家(systematist)には災い多く(リンネだけは例外),分類家(taxonomist)には幸多かれということだったのかもしれない.そして,19世紀初頭のイギリスで大流行した「博物学」の背後には自然神学(素朴な intelligent design 説)の確固たる文化的底流があったという指摘(p. 116)はとても重要だろう.

◆休日のこまごま —— 今週水曜から始まる農林交流センターワークショップ〈分子系統樹推定法:理論と応用〉の直前準備で事務局とともにばたばたとしている.実習用のソフトウェアのインストールと配布ハンドアウトの準備,そしてワークショップ全体のコーディネートという仕事もある.ひとりでやっているので「やる/やらない」という二値的なシンプルさはいいのだが,進まなければとことん停滞するというリスクはつねにつきまとう.講師への連絡と事務局との調整がメールで続いている.なお,4日(水)夕方の懇親会には30名の受講生の大半が参加するそうだ.日本酒は大阪の〈秋鹿・歌垣〉と出雲の〈王祿・渓〉はとりあえず一升瓶で用意してあります(新潟の〈久保田・千寿〉は予備か).

◆午後になって晴れ間が広がり,南からの強い風が吹き込むようになった.気温は高い.

◆昼下がりのひととき —— 小野崎の〈Shingoster LIVING〉にて,期間限定の〈本と本棚〉というイベントの最終日だったので,一息入れに出かけてみた.元は根津にあって,いまは表参道に移転した〈オヨヨ書林〉の古書などが並べられていた.帰りに,コンビニで『週刊新潮』2009年11月5日号を手に取る.「ブックス」欄に確かに『分類思考の世界』の紹介記事(p. 126)が掲載されていることを確認.ありがとうございました.>匿名書評者さま

◆夕方のこまごま —— 来年度の九大での「生物統計学」集中講義の事務手続きなど.ほとんどはaryさんが書類をつくってくれるとのこと.ありがとうございます./11月24日(火)16:00〜17:00に,東大農学部の専攻で研究室(卒論テーマ)ガイダンスがある,その後に,〈S University of Tokyo〉にて.詳細後日.

◆夕方,暗くなってから予報通り雨が降り出し,しだいに風雨が強まってきた.

◆前夜からつくり始めてからきっちり24時間が経過し,やっと「Vlaamse stoofkarbonade」を食卓に登場させることができた.結論をいえば,〈ハウデン・カロルス・クラシック(Gouden Carolus Classic)〉を用いたのはアタリ!ということだ.その芳醇な味わいと抑制のきいた苦み,そして牛スネ肉の風味を損なわない名脇役ぶりは今は手に入らない〈禁断の果実(De verboden vrucht)〉の代役としてベストセレクションだった.付け合わせには,つぶした茹でジャガイモとパスタを用意した.一本だけ残った〈ハウデン・カロルス〉をなめつつ,このビール煮込みをいただくシアワセ.

—— 調べてみたら,本場ベルギーのレシピ「Recept Vlaamse Carbonades」でも,この〈ハウデン・カロルス〉を使っているようだ.

◆本日の総歩数=11183歩[うち「しっかり歩数」7490歩/69分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=84.0kg(−0.8kg)/25.1%(−1.7%).


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